大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(オ)143 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について

しかし民法第一一〇条は代理人がその権限を超えて法律行為をした場合の規定で

あつて代理人が本人のために法律行為をした事実がない場合には適用の余地がない

のである。ところで原判決はDが被上告人先代の代理人として所論報酬支払契約を

明示的にし黙示的にもした事実は全然ないと認定したのであるから民法第一一〇条

の適用せられる余地は全然ないのであつて、従つて原審は上告人においてDに代理

権ありと信ずべき正当の理由があつたかどうかを審究する必要はないのである。ま

た所論証人Dの証言は原判決の前記事実認定を妨げるものではないのであるから原

審には所論のような違法があるということはできない、論旨はその理由がない。

同第二点(追加理由書)について

しかし論旨は結局原審が適法にした事実の認定を非難するに帰するのであるから

上告適法の理由とならない。

よつて民事訴訟法第四百一条第九五条第八九条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官藤田八郎は病気につき署名捺印することができない

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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